陶芸初心者 手びねり入門 玉つくり湯呑編

陶芸

前回のブログの記事で何となく陶芸と言うものが分かって来たかも知れません。でも、「畳の上の水練」にならないように、いよいよ実習に入って行きます。

言葉と写真で説明してもなかなか分かり難いと思いますので、YoouTubeの動画等も使いながら説明を続けて行きます。 今日は、「こうすれば、あなたの陶芸は上手く行かないです。」

陶芸が余り上手く行かない人は、以下のコツが分かっていない人が多いと思います。逆説的な表現ですがここさえ押さえて置けば、陶芸の技術がアップし、作品も見違えるようになります。

轆轤は回るもの、そして回すもの。

 当たり前じゃんと思うでしょう?。手回し轆轤で作る技法を手びねりと言います。轆轤の回転の慣性モーメントを使ってやることを忘れている人は結構多いです。

 例えば、弓や針で粘土を切ったりする例をあげれば、その時、結構針を動かす人がいます。作品の回転は、轆轤の回転です。だから、針は、轆轤の回転に負けないように、しっかり、両脇を締め、針は一か所で固定しておけば、粘土は自ずと切れます。

 これだけは覚えておきましょう。「轆轤は回転するもの。手や道具は固定するもの。」

轆轤と道具はレコードと針の関係ではあってはならない。

 

最近は、蓄音機は見ませんが、陶芸はレコードと針の関係ではありません。

レコードは針がレコード盤の溝を忠実になぞって行くことによって、その溝に記録された凹凸をレコード針が拾って電気信号に変換して、その信号がアンプで増幅され音がでます。

でも、陶芸はこれでは上手く行きません。轆轤の回転や作品の凹凸、芯ぶれに負けないようにそれに逆らって、形を作って行きます。ですから、前述のように脇をしっかり締め、必要であれば両手で固定、又は、腕の肘をしっかり脚に当てたり、テーブルに固定して轆轤の回転に負けないようにします。

 レコードの針のように振らついては、ダメです。

余談ですが、左の写真、Amazonで販売されている蓄音機。密かなレコードブームは継続中なんですね。

”Pinch & Gahers” ”ピンチ & スクイーズ” ”挟んで、寄せる”

 手びねりで良く聞く問題「芯がでない。」「薄くなって、横に広がる」。これは基本的な土の扱いが分かっていないからです。 その解決のキーワードは、「寄せる」「ギャザーする=ひだを寄せる」。

 土を両手で挟んでのぼして行くと、上と横へ伸びて行くのはだれでも分かる事です。やりたい事は分厚い粘土を内外の指で粘土を挟んで、上へ上へと伸ばして、均一な厚みにしていくことなんです。でも、挟むと粘土は上だけではなく横へも伸びます。この結果、横へ横へと伸びて、意図しない作品が横へ広がって、おまけにブヨブヨになってしまって、芯がぶれてしまってどうしようなくなります。これで失敗です。

 ではどうする。両手で土を挟んだら、挟んだまま手を寄せます。これで横へ伸びた土が元に戻されます。「挟む⇒寄せる⇒挟む⇒寄せる」の繰り返しです。当然一か所だけでやるのではなく、全周と言う事ですが、これがポイント⇒「手は一か所で動きますが、自然な轆轤の回転で、同じところで作業をしていても、周回します。」

 挟む土は下から、周回して徐々に上の方に両手を移動して行きます。もう一つのポインがあります。「両手共に、挟んだ感覚で、土の厚みを感じて挟んでいくこと」が大事です。厚い部分があれば、挟む力を少し強くしたりして、感覚で調整して行きます。

内面仕上げと高台脇の芯出し

 作陶で大事なもう一つのポイント。作陶は内部の仕上げに重点を絞る。手びねりの場合は土の量が一定しません。その為、相当の確率で部分部分で、土の厚みが違って来ます。

 作陶してある程度自分のねらい目の厚みになって来たら、内部の形状をしっかり意識してヘラ、小手で内部を仕上げます。作陶が終わって、半乾燥になったら削りの作業をしますがその時は基本的に外側と高台の削りです。内部は削りません。内部の削りが必要であれば、それは元々の作陶がお粗末と言う事です。

 私は、高台周りの芯出しが大事だと思います。その意味で、最終段階に入って来たら、高台周りの余分な土は削り取ります。この部分が外側削りの基準になります。高台周りが芯が出ていて丸ければ、これを基準にして上を削って行きます。

 内部の形状と芯がしっかりと出来ていれば、外側を削る必要はありませんが、私は削ってある程度の均一な厚みにしておきます。この方が削り作業はやり易いと思います。

Youtube 動画 「玉つくりで、湯呑の作陶」

まとめ

上手な手びねりのキーポイント
  • 轆轤は回すもの。轆轤の慣性モーメントを使う 
  • 陶芸の蓄音機は厳禁。 道具や腕はしっかり固定する。
  • 作陶は内部重視    内部の形状をしっかり意識して、削り不要の仕上げを。
  • 土は、ピンチとギャザーで伸ばす 手のポジションを一定にし、挟み、寄せて。

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