大物花瓶の削りプロの手順と技

陶芸

 陶芸の削りは作陶に並んでもっとも重要な作業になります。特に鶴首などの首が長いものの削りは非常に難しく、この作業の良し悪しで作品の出来が決まると言って過言ではありません。

 正直言って、この手順を守ったら作業が完璧になるとは言えません。やはり、そこはプロの技術に沿って正しい作業手順で沢山の削りをしていくしかありません。ビデオを見て頂ければ分かりますが、私の作業は未だにど素人の域を出るに至っておりません。

 なんでもそうですが、やはり基本を知りそれをやり続けるれば、いつかはプロの域に近づけるかも知れません。 本人の努力と才能しだいと言うことでしょう。

プロの手順

 この削りの大事なポイントが他にもあります。先ずは、土の硬さが大事で硬めにします。手の指で高台を挟んでやって硬ければ大丈夫です。

 それから削りカンナは、鉄カンナで削ります。硬すぎた場合や磁器土の場合は、超硬カンナを使います。非常に鋭利な刃物です。事故に十分注意してください。

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花瓶の削りの手順
  • ラベル
    湿台に載せ上半分の削りをする。

     湿台の芯を出します。特に湿台の内側の芯を出します。湿台を使うのは普通は外側ですから、必要であれば削り、バリなども取ります。

     何故、湿台を使うか?それは切り糸で切った底は必ずしも水平ではないからです。これでは、轆轤面に載せたら首は振れまくります。これでは削れません。

  • ラベル
    下半分の削り

     次は下半分の削りをやります。鶴首などの場合、その長さに合った高さの高い湿台に変え作業をします。

     芯を出す基準は、上部を削った後に墨汁で描いた水平線です。ビデオのように複数の線を入れて置けばよく分かります。

     芯は決して、底で合わせるのではなく、墨汁の線が水平に回るのを基準とします。

  • ラベル
    湿台から、作品を外して、形状と重さを確認

     これも湿台を使うメリットです。湿台から外して形状を見たり、重さやバランスを見ます。

    又、そこの厚みを事前に調べておくことも重要です。下半分を削るのは当然ですが、底を水平に削ります。そして中央に指孔を削り作品の芯が出ないようにします。

  • ラベル
    高台の仕上げ

     下半分の胴の削りが終わったら、高台幅を決め、高台内外を仕上げます。

  • ラベル
    仕上がりの確認
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YouTube 動画 “大花瓶の削り方法と手順

ナレーションなしの字幕版です。

湿台使用上の注意
  • 湿台は生を使ってます。作品に合った大きさにし、安定させることです。
  • 湿台の据え付けは、どべを十分出し、ガーゼを敷いても安定して轆轤面で接着されている事を確認してください。どべは必要であれば、ガーゼの上からも塗ります。
  • さらに必要であれば、粘土コイルなどで補強してください。
  • 素焼きの湿台であれば、しっかりと粘土コイルを巻き、補強します。
  • この技法はプロの轆轤師の大量生産の技法です。あくまでも自己責任でやって下さい。

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