石膏初心者の、自分で作る叩き起こし型

型打ち込み菊皿 陶芸

 石膏型と言うと一寸怖いかも分かりませんが、慣れればそれほど難しいものではありません。石膏は ホームセンターでも売ってますが、陶芸用の石膏は焼石膏と言うのを使います。

 自分の作りたい作品を粘土で原形を作ってもいいですが、様々な容器に石膏を流し込むだけで、石膏型は簡単に作れます。初心者はまずは型に流しこんで形をとる事をやって見たら良いと思います。この記事は、石膏初心者の為に、型に流し込んで石膏型を取ると言う条件で話を進めます。

右から。石膏カンナ、丸棒、量り、100均プラスチック容器

石膏と型取りの為の道具

 今後も更に鋳込み型などに進みたい方は最低の道具を揃える事をお勧めします。取り敢えずやって見たいのであれば、工夫してやって見て下さい。

  • 石  膏: 焼石膏と言うものを購入。通常の石膏を150度位で焼いたもので袋に記載
  • カリ石鹸: 剥離剤と言って、原形に塗っておくと外れ易くなります。
  • 原  型: 作りたい作品の原形を粘土でつくるか、百均でイメージのものを購入
  • 手  袋: 石膏はアルカリ性ですから、敏感肌の方は着用
  • マスク : 石膏を吸い込まないように。
  • ゴーグル: 付けた方が良いと思います。
  • その他 : 石膏の袋に記載してある注意事項を必ず守って下さい。 

 こちらがホームセンターなどで販売されている美術用焼石膏。2kgで安価。

 こちらが通常使うカリ石鹸。高価なので、固形のカリ石鹸があれば、それでも良いかと思いますが、当方は使った事はありません。下のアマゾンには固形石鹸も掲載されています。

 余談ですが、昔の石鹸はほとんどがカリ石鹸だったそうです。でも、最近は一般ルートではカリ石鹸は見つかりませんでした。

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その他 道具
  • 洗面器      水をいれておく。
  • プラスチック容器 石膏を攪拌します。
  • 丸い棒  石膏を攪拌するのに使います。角棒は攪拌時空気が入り易いのです不可。
  • 新聞紙  作業場の養生や、余った石膏の廃棄用に。下水には絶対流さない事

 

石膏の型取り手順概要

 簡単に石膏の使い方を説明します。袋には、2kgの石膏を1700ccの水で溶くと書いてあります。これから、石膏の量は型の体積(水の量)の1.2倍になります。

 それから、水1ccは石膏1グラムと覚えておきましょう。 石膏は乾燥すると約!%膨張します。逆に、粘土で作った作品は、15%(縦)17%(横)程、縮みますので、少し大き目のものを選ぶことが大事です。そうしないと、折角出来た作品が小さいと思いがちです。

 豆腐のプラスチックケースで説明します。

石膏量の目安

 流し込む石膏量は、まず体積を調べます。この方法は以下の通りです。

  • 体積を計算します。 底面 X 高さ=体積(㎤)
  • 器に水を入れます。=重量≒体積

と、ケースmを洗います。そして、キッチンの測りで空の重さを量ります。5グラムとします。

トーフのプラスチックケースを原形とした例
  • ラベル
    計量はかりにケースを載せ、必要な大きさの部分まで水を入れる
  • ラベル
    石膏量 重さ X 1.2=石膏量 50グラムあれば=60グラム
  • ラベル
    円筒のプラスチックケースに水を50グラム入れる

    水は冷水

  • ラベル
    石膏を小分けしておく。60グラム

    原形の形に熱湯で溶いたカリ石鹸を塗ります。刷毛や筆で。少し乾かし、又塗ります。これを三度やります。最後に、水道の水を掛け、余分な石鹸を落としてやり、水がはじかれるのを確認します。
  • ラベル
    石膏を降りかけるようにして水に投入

    一度にいれるとだまになります. 又、投入は静かに、空気が入らないように。

  • ラベル
    数分置いて石膏が沈むのを待ちます。丸棒で攪拌。

    泡だてないように。丸く回転して攪拌。数分で少し重たくなります。微妙な感覚です。何となく重い感じ。

  • ラベル
    石膏の投入

    すぐに投入します。もたもたすると石膏がかたまり始めます。

  • ラベル
    大体20~30分で発熱して、固まります。

    石膏の表面が熱を持って、指で押してもへこまないようになったら、型を外します。

  • ラベル
    柔らかい内に金尺などで、余分な石膏などを取り成型します。

    型になる部分(たたら粘土を貼る部分)はふれない。この場合は、豆腐ケースの上の部分です。この作業は柔らかい内にやります。

  • ラベル
    数日放置して、完全に固まるのを待ちます。
  • ラベル
    使い終わった道具や水を張った洗面器やバケツに入れます。

    石膏が水の中で凝固して簡単に外れます。捨てるのは上水だけ。固まった石膏は新聞に包み廃棄します。大量の場合は、自治体の処分方法で処分してください。

 石膏型取りで注意すること。マスクやゴーグルなどをして石膏を吸い込まないようにします。次は、石膏を溶いた水や余った石膏を下水に絶対に流さないように。石膏で下水管が詰まって大変な事になります。新聞紙などで廃棄しましょう。

 容器が取れ難い場合は、容器を乾かしてカリ石鹸を塗り乾かします。これを三度繰り返してやれば、完璧です。私の場合は、カリ石鹸は京都においてますので、歌麿石鹸を使いました。

 石膏が完全に乾燥すると成型が難しいですから、柔らかい内に面取りや、成型をします。石膏の削りカンナがあればベストですが、無ければ、物差しなどである程度の成型は出来ます。

石膏型の種類

 石膏型には、いろいろな種類があって、私が最近作っているのは、排泥鋳込み、圧力鋳込み、手起こし成型、押し型成型のどれかです。今回の型は、手起こし型と言われるもの。たたら粘土を貼って成型するタイプです。

 型を取るには原形が要るのではと思う人が多いと思いますが必要ありません。丸のお餅みたいな型は、百円ショップのプラスチックのボールとざるのセット、角皿、長皿は、スーパーの食事用トレイ。

型起こしのやり方

 今回のたたら板は、土の塊をまとめて円柱にします。5mmのたたら板を積み上げて、切り糸で上から切って行きます。一番上と下は使いません。後は使うときに一枚づつ剥がして型に載せて、軽く均等に中央から叩いて、型取りをします。ここでの丁寧なたたきが成功の秘訣です。

 忘れずに軽く片栗粉を型に降っておいてください。石膏型は適当に水分を吸ってくれますので、成型した作品の形が崩れにくい利点があります。

石膏型・岐阜県石膏型工業協同組合

 石膏について、岐阜県石膏型工業協同組合ホームページに詳しく書いてありますので、興味がある方はアクセスしてください。

 石膏型の基本的な知識や、さまざな型が掲載され販売されてます。ほとんどが4000円以下ですから、自分で石膏型を作るなどしたくない人には便利かも?

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