第2回枚方市展 出展作品 双昇龍大花瓶

日記

 今年も枚方市展が1月6日~11日に枚方市総合文化芸術センターで開催されました。この展示会は枚方市民の美術工芸品の展示会で、絵画(日本画、洋画版・版画)、工芸、彫塑。立体、書、写真が出展されます。 

 圧倒的に多いのが絵画で、油絵、日本画、水彩画などが大きなひらしん美術ギャラリーで、そして、比較的出展の少ない、写真、彫塑、立体はひらしんイベントホールでの展示です。

日本画洋画・版画彫塑・立体工芸写真総数
応募点数3415229135288368
入賞点数66535631
入選点数12621042041149
展示点数18681572547180

出展作品 鶴首双昇龍大花瓶

 下の写真が、私の今年度の応募作品です。これが見事に落選しました。見事と言うのはおかしいかも知れませんが、昨年、第一回目に初めて公の展示会で出展して入賞をしておりましたので、今年は、少し自信のあった(私好み)の作品を出展しました。・・・でもでも。。Oh My God!、、、まさかの落選!!!!!。。信じられない。入選もしないなんて。ああ無情!

 これ位の作品の高さになると、筒上げの技術とそして、成型の技術が成功の鍵になると思います。それと、化粧土の仕上げの飛カンナは説明の必要もないと思いますが、点描で仕上げました。

粘 土: 信楽赤

大きさ: 320㎜(高さ) x 220㎜

作 陶: 電動轆轤

釉 薬: 石灰透明

化粧土: 白、黒化粧土

装 飾: 

     昇り龍: 彫塑

     首下部: 黒化粧、飛びカンナ

 胴の部分は、白と黒の化粧土での仕上げです。 白、黒、茶(赤土の素地)のコントラストがとってもいいと思います。自画自賛ですけど。

 仕上げは白と黒化粧土の境目を如何にシャープに仕上げるかがポイントです。これには、マスキングテープを使います。最近のマスキングテープは発達していて、曲線を描けるものまであります。(価格は少々高いですが、自由に曲線を描けるなんて最高)。

 購入するにあたっての一つのポイントはテープの幅です。自分の作品に合った幅を選びます。ちなみに、この作品に使ったものは5mmです。

 下の様にネットでも買えます。一度クリックしてください。実に多様なテープが販売されてます。しかも安い。 でも価格は送料無料のものを選ぶか、近くの百均に行って購入した方がお得です。

 百均でハンドクラフト用の6本組のマスキングテープがあります(DAISO)ので、これを作品に貼付して、それぞれの化粧土を塗り分けます。2度程塗ってやれば、むらなく仕上がります。化粧土の表面が乾いたら、マスキングテープを外します。

工芸の部、市長賞作品

こちらが、今年の市長賞を受賞された作品です。入選された方 おめでとうございます。

 でも大変失礼かも知れませんが、この作品の良さが私の鈍い感性では分かりません。下の方に審査基準見たいな事が書いてありますが、大きくは二つ。 ”磁器土である事、そして絵付けが個性的である”。それと、工芸品らしいとの評価の様です。 でも、この工芸品の定義が問題で、何やら、どこかの辞書にのっている工芸品の定義らしいです。

「拓榴文壺」 笹田康弘氏

審査員:

 村田隆志(大阪国際大学準教授)

 前崎信也(京都女子大学教授)

 吉向松月(吉向窯9世)

この作品がベストだって? 磁器土の壺に呉須で絵が描かれているけど、どこがいいのか私には分かりません。壺の形も敢えていい形とは言えないし、呉須みたいな染付ももう一つです。

「これが、市長賞でこちらは落選かい!」 これは私の正直な気持ちです。落選したから言っているのではなく、この作品の良さが分からないのです。よっぽど私に見る目が無いのかな。

内側を見ると、木鏝の醜い跡があるし、どこが評価されたんだろ? 磁器土だから難しいと言うのはおかしい。これ位の大きさと形であれば、ある程度轆轤が挽ければだれでも出来るのに。

工芸の部 審査総評抜粋 村田隆志準教授? (大阪国際大学)

 枚方市展入賞・入選目録 工芸 審査総評に評価の基準があります。いか村田さんの記事。

本展の各部門の内で「工芸」こそが最も難しいジャンルだろう。。。。(略)どこからどこまでが工芸なのか、については説明が必要であろう。。。「新潮世界美術辞典」は「工芸」を〖実用的価値と美術的価値とを兼ね備えた造形品の総称〗とし、「生活に有用なものを製造する工業と、美を創造する芸術との両方の領域の重なりあったところに成立する。」と定義している。。。。実用性に乏しく創造性に乏しい作品は「工芸」としての評価は難しい。。。実用性に乏しいものは是非とも、彫塑・立体での応募をされること。。。

。。。。「市長賞の作品は、技術的に難しい磁器であり、絵付けに個性がある」・・・

「枚方市展入賞・入選目録 工芸 審査総評」

 皆さんはこれに納得できますか? 私は、全く納得性のない講釈としか思えない。いかにも大学の先生の、しかも、何事も型に嵌めたがる日本人の特質が良く出ている説明と思います。 辞書にこう書いてあるから、これが基準で、それ以外は工芸品ではないとの評価、、だから、これに当てはまらない作品は審査対象外。。。。何と偏狭な考え。

でもこれが本当に正しい基準であれば、その旨募集要領に記載すべきである。応募する前に、陶芸作品はどのジャンルで応募すべきか確認した上なのに。。。 

大学の教授と言うから、美術などが専門かとネットで調べて見たら、どうもそうではないらしい。おまけに教授と准教授の肩書がある。な~んだ専門家ではないんだ。であれば、陶芸の専門の部分は、審査員三人の内の吉向窯の9代目が評価したんだろうか?

 だんだんと腹が立ってくるのはなぜだろう? こんなにレベルが低いのに、入選も出来なかった自分に腹立たしい。 せめて、市長賞の作品が素晴らしい作品であれば、納得も出来るのに。。

 工芸品ではないから、選外とは応募者をなめた対応ではないか?

まとめ

以上のような状況から、この展示会の出展の考え方は以下の通りであり、これから外れていたための落選であると推測します。簡単に言えば、工芸品ではありませんという事でしょう。

1.出展カテゴリーを選ぶ。 陶芸作品でも、立体、彫塑、工芸のカテゴリーがある。

  ・今回の作品は立体で応募した方がよかったかも? でも彫塑ではないと思います。

  ・彫塑は少し違うと思うけど。むしろ彫刻・彫塑の分野では。 龍の部分は彫塑かも?

2.工芸で出展する場合、実用的で、美術的な要素がある事。

  ・何が実用的なのかは疑問だけど。置物は実用的ではないの?

3.技術的にも難しいものである事。 陶土より、磁器土

  ・陶土よりも磁器土が絶対。

4.装飾(絵付け等)オリジナルティーがある事。

  ・この部分は少し弱いかもね。自分で絵柄を考えて絵付けや装飾をすることを強化する

昨年の作品:

土:磁器土

釉薬:石灰透明

絵付け:下絵付け、上絵付、金彩。

これであれば上の基準をクリアしてます。だからか。 納得。

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