暑い日々が続いておりますがお元気ですか。 枚方の夏と言えば花火と工芸展。今年も例年のように陶芸作品の応募をしてみたいと思います。
市民公応募作品 ”金彩下色絵付け牡丹文様尺二丸鉢”
まだ応募作品の審査結果が来てませんが、今年の作品は尺皿を応募しててその審査結果待ちです。工芸作品に限るとの事で、応募作品に迷いましたが、家中に溢れている作品の中から浅めの大鉢を選び応募してます。 その結果は、8月中旬に連絡があるそうです。
昨年の枚方市展で、自慢の花瓶を応募したのですが、見事落選。その理由は工芸品ではないと判断された様です。何を持って工芸であるかどうかの判断をするのか未だに不明ですが、磁器は工芸品として扱われやすいようですので、磁器製の染め付けの大鉢を出展しようかと思ったりしたんですが、半磁器のこの金彩の作品を選びました。
素材・制作工程
- 半磁器土を電動ろくろで浅い大鉢に成形。仕上がり寸法 34.4cm(直径)8.5cm(高さ)
- 色呉須の下絵付け。発色の弱さを金彩で強調
- 文様は伝統的な牡丹
- 土灰で施釉。 還元焼成
- 土の鉄分と還元ガスの反応で”ごほん”が出て、暖かみのある作品になりました。”ごほん”とは、清水焼きの伝統のようなもんで、肌地に、白と黄色のほんのりとした丸い文様が薄く出ます。
”ごほん”の始まりと特徴
ごほん(御本)とは、陶芸で作られた茶碗の一種です。桃山時代に、朝鮮から伝わった茶碗を模して作られたのが始まりとされています。
ごほんの特徴は、素地に鉄分を加えて焼成することで、淡い紅色の斑点が出ることです。この斑点は、鉄分が酸化することで生まれます。ごほんは、侘び茶の茶碗として使われることが多く、茶道具としても人気があります。
制作意図
- 暖かみと華やかさを目指して、半磁器土、下絵付け、金彩 そして仕上げは還元焼成
- 焼き上がりの地肌は少し黄色く、還元ガスと鉄分の反応による”ごほん”で、狙い通りの暖かみのある作品になりました。
- 初夏の朝霧に濡れた牡丹が表現できたと思います。
- これほどの大物の鉢の金彩は初めてですが、金彩により華やかさがぐっと増しました。金彩の良さが写真では分かり難いですが、是非、現物を見てください。
枚方工芸展開催要領
第26回枚方工芸展の開催要領は以下の通りです。勿論、入場は無料ですので、時間を取っていただき多くの工芸作品を見ていただくとともに私の駄作も見てください。
- 開催日時:2023年9月15日(木)~20日(月)
- 開催場所:枚方市総合文化芸術センター ひらしん美術ギャラリー(大阪府枚方市新町2-1-5)
- 開館時間:10:00~18:00(最終日は16:00まで)
- 応募資格:枚方市内に在住、在勤、在学する者
- 応募作品種別:陶芸、金工、木工、ガラス、漆芸、染織、彫刻、写真、書、工芸画
34cmの鉢となると、その作陶、焼成、絵付けと大変でした。自宅の陶芸釜は還元焼成が出来ませんので、窯元の大釜を借りて他の数十点の焼成をしました。 釜はガス釜で、プロパンよりも安価なブータンガスを使い1260度の本焼きです。
金彩は、本焼き後に、マット金を金液で濃さを調整して、面相筆で描きます。その後に、650度で焼成をして焼き付けをします。 このマット金と言うのが小さな小瓶で一万円以上します。そして三回の焼成費用も馬鹿になりません、 絵付けを上絵をして、金彩をすれば、素焼き、本焼き、上絵、金彩となんと4回の焼成が必要になります。
是非会場にご来訪いただき現物を見てください。
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